">数値制御機能が付加されたnc旋盤とは？使用するメリットをご紹介します

nc旋盤とは、数値制御機能が付加された金属を加工するための機械です。加工プログラムで指示を与えると、金属を自動加工できます。nc旋盤を使用すると人間が付きっきりでいる必要がないだけでなく、高性能な仕上がりを実現します。

また、大量生産しても精度が均一なので、短納期で高品質な部品づくりに役立っているのです。

1.    nc旋盤とは？

「nc旋盤」という名前を聞いても、よく知らない方が多いのではないでしょうか。しかし、工場ではよく使われている機械のひとつです。

そもそも旋盤とは、金属を加工するために使われる機械のことです。まるでリンゴの皮むきをするときのように、加工したい金属を回転させながら固定された刃物に当てることによって金属を削り出します。

回転する金属がリンゴで、刃物が包丁のイメージです。削るだけでなく穴を開けたり、中をくり抜いたり溝を付けたりと、さまざまな加工ができます。

nc旋盤とは「数値制御」を表す「Numerical Control」の頭文字が付いている通り、数値制御機能が付加された旋盤です。この数値制御機能が付加された旋盤をnc旋盤と呼ぶのに対して、そうではない旋盤を汎用旋盤と呼び分けています。

nc旋盤は、汎用旋盤でできる加工を自動で行うことが可能です。nc旋盤を使用するメリットは、「自動加工ができる」、「高精度な加工ができる」、「均一な精度に仕上げることができる」の3点です。

1-1.自動加工できる

nc旋盤を作動させるためには、「加工プログラム」で指示を与えなければいけません。加工プログラムの指示をnc旋盤が認識すると、各サーボモーターに指示が伝達されて金属の加工が始まります。

加工プログラムを作成して指示を与えると、プログラムに組み込まれた内容や手順に沿ってnc旋盤が自動加工を始めます。自動加工ができると、人間が付きっきりで管理する必要がありません。

また、複数のnc旋盤を同時に作動させれば、少ない人員でも高い生産性を実現できます。実際、製造業においてnc旋盤は大量生産に大きく寄与してきました。

金属を削るための刃物は、その用途によって使い分ける必要があります。nc旋盤では自動加工ができるので、途中で人の手によって刃物を交換していると非効率です。そのため、「タレット型」と「くし刃型」の2種類の方法が編み出されました。

タレット型は、タレットという大きな円筒状の台にさまざまな刃物を配置しています。そのときに使用する刃物をタレットが回転することによって定位置に移動させます。

くし刃型は、水平な台にさまざまな刃物を配置しています。台が水平移動することによって必要な刃物を定位置に移動させます。

タレット型やくし刃型の台を導入することによって、刃物を人の手によって交換することなく、使い分けることが可能になりました。これはnc旋盤で複雑な作業工程をこなしながら、高い生産性を上げることにつながっています。

1-2.高精度な加工ができる

nc旋盤では加工プログラムを駆使することによって0.001㎜（1ミクロン）単位の精度を指定できます。これは、熟練の職人技に匹敵する高精度です。きわめて高精度な金属部品を自動加工で作り出せるので、さまざまな分野の製品づくりに役立っています。

ここまで高精度な加工ができるのでしょうか。nc旋盤には、自動でさまざまな刃物を使い分けている他にも特徴があります。まず、加工プログラムでタテ・ヨコ・高さの3次元での座標軸を設定します。そして、どの部分をどのように加工するのか、自動で位置を制御しています。

加工する金属がもつ熱への耐性や硬度、目指す最終形の形状に合わせて、加工する金属の回転速度を調節したり、刃物の当て方を微妙に変えたりすることも可能です。熟練の職人が意識せずに行っていることを、すべて数値制御することで高精度な加工を実現しているのです。

1-3.均一な精度に仕上げることができる

nc旋盤は加工プログラムの指示通りに作動するため、できあがった部品の精度は均一です。一度理想の精度で部品を加工できれば、加工プログラムの質の高さが実証できたことになります。そのため、大量生産を行っても、精度にばらつきが出ることなく、たくさんの部品を作り出すことが可能です。

数値制御機能が付加されたnc旋盤とは？使用するメリットをご紹介します